一寸はましな手に

「明鏡塾」には、看護師もいる。 この看護師は、緩和ケアの病院から、最近他の病院に移った。 それは、「看護師」としての仕事をもっともっと訓練し、患者さんの笑顔を、ご家族の笑顔を見たいという思いからだ。 その看護師からの報告だ。 ::::::::::::::::: がんの腰椎転移による腰痛と、悪性腸腰筋症候群による痛みがある女性の患者さんが、朝ナースコールを押して 「朝8時頃から痛くて薬(麻薬の頓服)を使ったんですけど、良くならなくて、体勢変えたりあっためたりしてみてるんだけど、全然よくならないの。どうしたらいいでしょうか」と言いました。 話を聞いたうえで、「まずもう一度麻薬の頓用を飲んでみましょう」と声をかけ内服してもらうと5分もせずに「よくなってきた」と話しました。 そう話す彼女の左臀部を右手で触れました。 そうすると「何、この気持ちいい手は」と驚いた顔で言ってくれました。 しばらくそこに手を当てながら彼女の家族や友人の話を聞いていると「だいぶ楽になりました」と言っていました。 彼女は「手当は基本よね。触られて気持ちいい人と気持ちよくない人がいるのよね」と話していました。 少しは、自分の手がマシになってきているのだと感じました。

意志を発動させる為に

東京明鏡塾から転勤に伴い、大阪明鏡塾を受講している外科医からの報告です。 理学療法士でもなく、整体師や鍼灸師といった、機能回復や改善を直接手助けする勉強は一切していません。 人や身体について「明鏡塾」で学んでいるだけです。 ::::::::::::::::::: 70代男性。 進行性核上性麻痺という神経疾患でパーキンソン症状が出ているBさん。 普段は歩行器を使用していますが、歩行器にもたれかかり身体は90度近く曲がって倒れこむような歩き方をされている方です。 仮面様顔貌や無動、固縮といった、パーキンソン症候群特有の症状もそれなりにある方です。 Bさんは猫背で体が固まっており、私はBさんが視線を上げるところを見たことがありませんでした。 目線を合わせるためには、下から覗き込まないといけませんでした。 ある日、私は違う方に対して膝の触診を行っていました。 その日はBさんの奥様がいらっしゃっ ていました。 奥様は歩行器を一生懸命引っ張り、歩かせようとしていますが、そうすればするほど歩行ではなく、倒れこむ体勢を何とか歩行器で支えているというような状況になっていました。 違う方の膝の触診を終えたのち、何故かわかりませんが、その人のところに行き、少し歩行の訓練を開始してしまいました。 右足→左足→右足→左足と体重を乗っけていく。 そうすると、歩き方が少しずつ変わってきて、もたれかかる状態が少し改善しました。 その次にコチコチに固まっている体の色んな部分を触ってみて、緩ませるようにしてみました。 そして、最後に視線の誘導を私の指で行い、歩行訓練を続けました。 その結果、

関係という名の奇跡

「明鏡塾」5.6期と受講している理学療法士からの報告です。 医療において何が大事なのかを、患者さんから学んだ話です。 もちろん、この「学んだ」というのは、自分の力で「気付いた」ということです。 それは、講座を学校で勉強をするように「習っている」という理解出来はなく、自分の力で「学んでいる」という意識を持っているからの事です。 武道であれ、ワーク・ショップであれ、多くの人を見ていると、「習っている・学んでいる」の比率が個人によって違う事がリアルに分かります。 その意味でも、医療技術やそこにある思想をどう汲み取るのかは、本当に個人によって違います。 今回報告してくれた理学療法士は、コツコツと現場で積み重ねていくタイプです。 こういった地道な積み重ねが大事なのです。 症例報告 (頭部外傷、左前頭葉・右後頭葉の脳挫傷、脳全体のびまん性軸索障害、微細出血) 頭部外傷の70代の男性を担当不在の間に代行した際のことです。 結論から述べると4か月間、寝るか座るかの人が、わずかな介助で50m歩けるようになりました。 この方は頭部外傷により覚醒はしているが、人や状況の把握ができず、言葉も意味のあるものを話すことがほとんどできず、不明瞭な言葉をずっと話し続けていました。 また、自分の体の感覚も適切に脳が処理できず、座っていても足がつっぱり後ろに倒れたりしていました。 最初に病室から車いすに移る際も、体が過剰な抵抗をしていまい、それに一苦労でした。「言葉の裏側を聴け」という明鏡塾の教えを実践し、とにかく発する声に耳を傾けながら、髪をとかし爪を切り、手足をおしぼりで清潔にし、それから訓練室へ移動しました

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