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明鏡塾主宰・日野晃  現在ヨーロッパを始め世界11カ国で指導する

1948年大阪生まれ 武道家
日野武道研究所主宰
明鏡塾主宰

 

武道にとって重要な要素は「察知」即「行動」である。

「察知」は、文字通り相手が攻撃しようとする「気配=気持ち」に対してのものだ。

その「察知」には2通りあり、1つは、相手に接している(触れている)部位からのもの、1つは、離れている相手に対して、こちらの「気配=意識」で知るというものだ。

その察知と、同時にこちらの行動がある事。

 

その2つのことを、一般的に「関係」という、つまり、相手の内的な働き(気持ちやこころ)を、働きが起こると同時に知り、行動しているということになる。

​これらは、相手の力や技と衝突しない為の、絶対必要な要素である。

​それは、患者さんをサポートする時に絶対必要な技術でもある。

絶対に患者さん、利用者さんに不快感や違和感を与えてはいけないからだ。

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現在6刷 他拙著・DVD・ビデオ多数

TV NHK他多数出演・

明鏡塾を起ち上げた理由は?
相手に違和感を与えてはいけない
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「私」が主役ではなく「相手」が主役

37,8年前、大阪北浜で武道の道場を開いた。

そこに求めたのは「本気」である。

おかげで、全員生傷が絶えなかった。

痛みの為に稽古が出来なくなる。

 

そんな時、ふと「私にどこが痛いのか言ってごらん」と口から出た。

弟子の一人が笑いながら「胸が痛い」と言う。

「もっと真剣に」と促し、何度か私に向かって口にした。

「あれっ、先生痛みが取れました」

私が「関係性」という目に見えないものを発見し、重要視するようになった入り口である。

 

 

医療であれ治療であれ、介護・看護であれ、そして、武道であっても、そこには共通点が三つあります。

一つは、人との相互関係(無意識的な)

一つは、言葉や接触を通しての、直接的な関係です。

 

つまり、どういった技術を使うかを抜きにして、実際的に直接作用する「関係」という、目には直接見えないものがあるということです。

もちろん、これは日常でも同じです。

 

そして、もう一つ絶対に外してはいけない要素があります。

それは、人はみんな違う、つまり、人には個人差個体差があるということです。

 

例えば、武道で言えば、刀を持ち相対したとします。

そして、約束として相手は刀でこちらの胴を突くとします。

その相手、AさんBさんCさんは同じ動作をしますが、それぞれの体格や運動能力、性格他諸々の要素が異なるので、決して同じ動作にはならないし、同じタイミングや力では突いてきません。

 

同じように、AさんBさんCさんが「腰痛」だと訴えたとしましょう。

もちろん、みなさんは専門家ですから体験的に、同じではないと知っているでしょう。

この、それぞれが異なる、という点が、同じ治療をしても、結果を確かなものにしません。

実は、この個人差個体差があるからこそ、治療の鍵を握っているのは、患者さん利用者さんとの関係性なのです

ですからAさんBさんは治らなかったがCさんは治った。

あるいは、Aさんは治ったが、B,Cさんは治らなかった、また、全員治った事もある、という確実性の無い結果を生んでいるのです。

 

これらは、無意識の内に相性が良かった、悪かった、苦手な人だというような、こちら側の持つ先入観や固定観念、あるいは、好き嫌いという趣向が、大きな原因となっている可能性もあります。

 

それぞれの皆さんの現場は、常にこのような状態です。

 

では、今よりも良い結果、より100%に近い結果を生み出し、患者さんから感謝してもらえるようになるには、どうすれば良いのか。

自分自身の技術の問題は別にして、上記の三つの問題、

一つは、人の相互関係

一つは、言葉や接触を通しての、直接的な関係。

一つは、人はそれぞれに皆違う。

これらに着目し、それを乗り越えていけば良い、ということになります。

 

但し、ここが問題です。

この3つの問題は、試験の問題ではありません。

つまり、症状や原因はあらかじめ決まったものではないのです。

ですから、自分自身がこの3つの問題を、何時も頭の片隅に置いておき、常に検証する必要があるのです。

そのことで、何時も自分自身を検証したり、工夫をするようになります。

つまり、この3つの問題を乗り越えるというのは、自分自身を成長させるという事に繋がり、それ自体が問題を解消するのです。

そしてその事が、あなたの望む結果を生み出すことになるのです。

 

本気の人を助けるには、本気以外には無いと思いませんか?

北浜で道場を開き、そこで求めたのは「本気」だと言いました。

本気であるからこそ、様々な感覚が覚醒し、判断を超えて自分自身を護るし、結果として相手と関係が出来てしまうのです。

自分自身に「本気」で向き合って欲しいのです。

本気は相手のこころと「響感」を生みだします

また、私は縁あって難病や末期症状の人達と関わるようになりました。
重度の身体に障害を持つ人や、精神的な病気の人、また、スポーツでの怪我や正体不明の病気の方。
もちろん、私は治療家ではありませんから治療技術は持っていません。

できることは、「本気で向かい合う」ただそれだけです。

​そこで、何が起こっているのかは分かりません。

 

しかし、考えてみて下さい。

皆さんが相手をする人達は、「本気で治りたい」、あるいは「回復したい」、また、「社会復帰したい」と願っているのです。

その本気の人を助けるには、本気以外には無いと思いませんか

みなさんは非常に尊い職業を選んだのです。

であれば、尊い自分自身になって欲しいのです。

それは、関係性の扉、感覚の扉を開かなければなりません。

その扉を開くのは、あなた自身であって、私や方法や技術ではありません。

​その手助けをするのが「明鏡塾」なのです。

 

大切なのは「本気・響感」です。

その事が、多くの人の救いになるのです。

患者さんの役に立つ、そのものです。

 

そんな自分を作って欲しい、そんな治療家になって欲しい。

その願いが、「明鏡塾」を起ち上げた動機です。

その「本気・響感」が、将来の医療従事者の基本的姿勢になることを願っています。

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